リアルと理想の間

中国のYouTubeを見る事が多いです。

中国の四川省、雲南省の古い生活をあげていてね。綿花からベッドマットを作ったり、春雨をつくったり、なんでも自分で作っちゃう。
これ、どうやって撮ってるんだろうって思うね。特に音。茹でる音、切る音にしても、ものすごい高いクオリティで、美しくて、情報量も多い。

いいなぁ、理想の生活だなと思って、ついつい見ちゃうんだけど、冷静に考えてみると、中国は共産党で、言論を統治されていて自由じゃない国からYouTubeが発信されているのはおかしい。
そもそも中国はYouTubeを認めていないし、アクセス出来ない。GoogleがプラットフォームのYouTubeで中国の古典的な伝統文化を発信しているという事自体、ありえない。

料理ひとつとっても、やっている事は本当で、果物、花含めて、生活を大事にして美意識を持っているヒト達が制作しているからこそ、出来る動画だけど、政治的に力を持っていない若い子達がYouTubeのチャンネルを持ってる事、何百万人というフォロワーがつく事自体、不自然だよね。

彼女たちの生活はミツバチの巣からハチミツを採ったり、小麦を収穫して、麦芽糖を作るとか、凄すぎるんだよね。現実のリアルの中国の農民は、とうにこういう生活を失っているからこそ、こういうのがいいなと思う。近代国家でどんどん巨大なビルを作るという、彼女達の生活とは真逆の事をプロパガンダしている中国が、伝統を世界に知らしめる事は国の威厳を保つ為には必要で、彼女達の日常的な生活を、国家としても大いに利用してるとも言える。

実際は真逆のリアルが進んでいるからこそのフォロワー数や影響力があるわけで、リアルと現実の間にYouTubeがあってね。

見てるヒト、聴いてるヒトの視点というのはインターネットでリアルに感じ
ても、その後ろには何がしかの影があるんじゃないかと思ってもいいなって、最近思ってるんだよね。

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