六波羅蜜

菩薩とは、目指すものではなくて修行する身のこと。菩薩がやらなきゃいけない六波羅蜜(ろくはらみつ)という6つの大事なことがあるんですね。

ひとつは、お布施。ひとつは、持戒。そして、忍辱(にんにく)・つらい事でも耐えること、それと精進。そして禅定は仏道に励みながらも自分はこれでいいんだろうかと反省すること、そして智慧。

本当のお布施は献金することじゃなくて、ヒトに親切にするという意味。雑宝蔵経(ぞうほうぞうきょう)という本の中には無財の七施(むざいのしちせ)という、お金がなくても出来る7つのお布施があるという話があってね。

それは何かと言うと、一つは優しい眼差しでヒトを見る、常に笑顔でいる、優しい言葉をかける、自分の身体を使って奉仕する、思いやり、満員電車で席を譲る、自分の家に泊めてあげる

人間の意識は声掛けなり眼差しなりがとても必要だよね。そういうものが無くても何とかなることにはならないわけで、それはお金では計れない。

お金を出せば珈琲は出てくるけど、優しい言葉をかけて珈琲を出すなど、ちょっとした声掛け、態度で相手との関係は大きく変わるんじゃないかな。

ボクは、いろんな場所でいろんなヒト達と知り合う中で、そういうヒト達の中にある悲しみみたいなものに触れる機会がある。往々にして自己肯定感の低さ、自分はダメなんだという呪いがとても強いんだよね。

何のために仕事してるのか分からない、何がやりたいのかと考える前に、自分のメンタルでつまずいてるヒト達が圧倒的に多い。

こういうヒト達をカフェとして救っていくとすれば、ここに私が居ていいんだと思ってもらえること。自分のやりたいことは本当はこういう事だったと気づくきっかけを作る、設計するということ。

いろんなことがある中で日々お店をやっていると、まさに菩薩の修行の身に自分を置かざるを得ないよね。

ボクに続いて菩薩であらんとするヒトはこの六波羅密を日々、念頭に置いて生活して頂ければいいかなと思います。

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