MAMEHICOの牛乳は5年程前から生乳から加工乳に変えています。なんでかというと、値段が安いから。じゃあ、なんで値段が安いのか?
まず、加工乳とは何かということを、ざっくり言うと、絞った生乳からバターを取り出せば、水(ホエー)と、脱脂粉乳になる。理屈ではこのホエーと脱脂粉乳とバターをまた加えると牛乳に戻るわけだよね。加工乳はこの脱脂粉乳と水とバターを牛乳に戻したものなんだよね。
生乳はホクレンが管理してる1リッターあたりの生乳価格が高いので売れないわけ。加工乳は脱脂粉乳の値段が安いので、脱脂粉乳と水の価格をいじれば価格は下がるわけ。生乳は死ぬほど余って捨てているんだから生乳を使って、バターや脱脂粉乳をつくればいいんだけど、バターの需要はあるけど、脱脂粉乳の需要はないという状況が日本は続いてるんだよね。
バターだけ欲しいなら、輸入するのが得策だけど、安易に海外から輸入していいのかというのがあって、バターの輸入は反発を食らいやすい。だったら脱脂粉乳とセットで使えるようにしなきゃいけないよね。
モノの値段を上げるのに戦ってきた時代があって、価格を下げるのは非常に抵抗があるんだよね。それを安易に自分の代で下げていいのか、日本的なマインドがあってなかなか価格が下がらない。
配合飼料の値段が上がっているから酪農家が悲鳴を上げてるらしいけど、そもそもその構造に問題はないのかとボクは思うよね。
牛は牧草を食べてると思い込んでいるヒトがいるけど、牛の餌はアメリカのトウモロコシの配合飼料、大豆の搾りかすで牧草はほとんど食べてないわけ。農家のヒト達どうこうより、農政はどうしたいのか?というのが大きな課題だと思うんだよね。
牛乳の問題は、心理の問題、政治の問題があってね。このシステムは長くは続かないでしょうね。ガラガラポンで大きく見直す時が来ると思う。
だって、牛乳を飲み始めたのなんて、たかが数十年なんだから。