旅物語

人生は旅だと思うことがあります。人生は出会いと別れ。いろんなヒトと出会って、別れ、最後は一人で死んでいく。

小さい時は家族がいて、それが絶対のものだと思ってるけど、大きくなるにつれ、家族以外の世界のヒトと人間関係を構築して、それもまたくっついたり離れたりがずっと繰り返される。自分は今、自分の人生の旅物語を体験してるんだと、メタな思考で自分を客観視すると、凄く前向きな気持ちになれるんだよね。

西遊記の孫悟空は岩から生まれて、非常に万能で自己肯定感の強いサルでね。筋斗雲に乗って、どこまででも行ける、何でもできると思っていたのだけど、実はお釈迦様のてのひらの中にいたことを知る。そして三蔵法師、猪八戒に出会って、天竺に向かって旅をするという目標が出来て、その道中に妖怪なんかに出会っていろんなことを学ぶという話だけど、これは正に人生そのものだよね。

天竺なんてよくわからないけど、そこはお釈迦様の生まれた場所で、大切な教えがあるからと、とりあえず人生の旅の目的地に進む。目的地に向かってるのかもよく分からないけど、その道中でいろんなものに出会って、万能だと思っていた自分が、強がりなだけだったとか、勇気があると思ってたけど、臆病なところがあるとか、他者を通じて、予定外なことを通じて、自分てものを識る。己を識る。

これが天竺に向かっている意味なんだということだよね。天竺に行きゃいいってことでもないわけ。天竺に行ったから何かがあるというよりは、その道中、行かなくてもいいんだけどねっていうこと含めて、天竺に向かうことが天竺に行ったことと同じ効果があるということだよね。生まれてから死ぬまで、莫大な時間があるわけで、それを何に費やすか、どうするかということ。

お釈迦様のてのひらから出て、ヒトとの出会いの中で天竺に向かうという目標が出来て、その中で同志だと思っていたヒトとくっついたり離れたり、時には体力的についていけないとか、いろんなことがありながら、自分なりの旅物語を作っていく。

これが人生だという気がしますね。

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