ライナスの毛布

ライナスというのはスヌーピーに出てくる登場人物で、この子はいつも指をくわえて青い毛布を持って歩いてる。これ、別名ブランケット症候群と言ってね。子どもがあるものを肌身離さず持っていて、それがないと不安、というもの。

要は、子どもが大きくなるにつれて、寂しい時、お母さん代わりにブランケットを肌身離さず持って自分の不安を慰めに使う、足りない愛情を補っていると言えるわけ。

子ども時代はとても大事だなと思うんだよね。やっぱり子どもの時に感じた寂しさ、喪失感、不安が大人になった時に屈折した形で表出する。健やかであるということは何かに固執、依存しないということだと思うからね。

子どもを観察してると、子どもなりに感じているシグナルを表出するわけで、それを感じ取ることが、親、教育者には必要だと思うよね。

社会は不条理だから自分の思い通りにはならないわけで、我慢を覚えることが社会性を身に付けることでもあると思う。元幼稚園の園長先生だったお客さんが、きちんとした依存がない先に自立は促せない、そういう面で、ずっと子どもにiPadでアニメを見せてる今の状況は、子どもたちにとって依存しにくいと言ってたけどね。

その時に愛情が足りないと感じた子どもが大人になって寂しいという感情を埋めてくわけだけど、子どもは健気だから、親へ期待する愛情を諦めることを覚える。自分の思っていることを口にしない、口にするとしてもホントに信頼を置けるヒトにしか口にしない。もしくは、信頼を置けるヒトには過激な過剰な形で愛情を求めたりね。

本来は、小さい時に不安を感じた子どもでも自然と毛布を手放せるようになるけど、例えば小さい時に毛布代わりにスマホを与えられた子どもはスマホを手放せなくなると思うよね。その時、毛布だと恥ずかしいとなるけど、大人がスマホを持っていても恥ずかしくないように、スマホがライナスの毛布であるかどうかは他人にはわからないからね。

見えにくいけど、どこかで愛情を欲している、そういうことが見えてくるんじゃないかと思うけどね。

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