おいなりさん

差し入れに、おいなりさんは喜ばれるよね。

差し入れというのは、みんなの士気を高め、ねぎらうという意味だから、安くて数が揃うものがいいんだよね。だから、おいなりさんは差し入れにはぴったり。でも、一般に、おいなりさんて甘じょっぱ過ぎて美味しくない。もらってもボクはあんまり嬉しくないんだけど、自分ではよく作るよね。

油揚げを煮て、酢飯を詰めるだけなんだけどね。油抜きして、半分に切ると袋になって巾着になる。物によったら袋が開きにくいのがあって、袋が破けてしまうんだよ。市販のものとは違って、それも一興で面白いんだけどね。
中に詰める酢飯はレモン、柑橘を混ぜる代わり、あんまり砂糖を入れない。ご飯より具が多い方がいいんだよと、料理上手のヒトに教えてもらってね。具沢山の酢飯を詰める。
材料費はそんなにかからないけど、おいなりさんは手間がかかって面倒くさい。昔は手間をかけるのがハレとケでいうハレだったんだな、とおいなりさんを作ると思うね。

最近、豆乳を絞ることにハマっててね。豆乳は、大量の大豆からちょっとしか絞れない。豆乳を凝固させて豆腐にする。更に水抜きしてそれを油で揚げる。それをまた油抜きして、半分に割って、袋にして、油揚げだけで煮る。ご飯におかずを入れて、酢飯にして、それを詰めるものがおいなりさんじゃない?
キツネがお揚げを好きなことから、キツネ寿司とも言われるけれど、神に奉納するようなものだから、手間がかかってて当然じゃない?

手間暇かけたものを、神に奉納して、それをご馳走だと思う文化を、ボクはとてもいいなと思っている。今のヒトのご馳走って、牛肉のステーキとか、舶来もので高くて手間がかかっていないものでしょ?

来年の目標は、自分の畑で採れた大豆で豆乳を作り、そこから湯葉や豆腐を作り、それを更に干して、油揚げにして、その油揚げでおいなりさんを作る。

どう考えても面倒くさそうだけど、絶品かもしれないよね。

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