上善水の如しはお酒の名前だと思ってるヒトが多くてね。CMのイメージが勝って、本来の意味が薄れちゃうけど、これは中国の思想家、老子の言葉。理想的な生き方をしたいなら、水のような生き方をした方がいい、一番いいのは水ですよ、と言ってる。
水は形があるわけじゃない。丸い器に入れたら丸くなるし、四角い器なら四角くなる、気体にもなるし、液体や固体にもなる。柔軟に自分の在り方を変えて生きてく。何かに固執するとろくなことはないので、自由に生きたらいいんじゃない?っていう教えだね。
もう一つ、水は高い所から低い所に流れていく。偉くなりたいとか、無理して高い所を目指すのではなく、低い所に流れていくようなヒトであったほうが良いということだよね。
三つめは、水は柔らかくて、それそのものは強さを持ってないけど、岩をも崩す。津波の映像をみても、ぬるぬるっと何もかも流しちゃう力強さがある。
老子の考えには、無為、なすがまま、意図的にこうしようというのは意味がないというのがあって、まあ、好きにやったらいいんじゃないの、というね。
本来人間は道にそって生きた方がいいんじゃない?道というのは武士道、茶道の道ではなくて、人間も自然の一部だから自然の摂理にあんまり逆らった生き方してもろくなことないよと、言ってるんだけど、この「道」というのはなんなのか?はっきり分からないんだよね。
老子の言葉で、明るい道ほど暗く、前に進むべき道ほど後戻りしてるように見える。平らな道ほど凸凹し…というくだりがあるんだけどね。
その道が正しいと思っても間違ってることもあるし、その逆もあるわけで、要はわからない。どっちでもいいじゃんって言ってるわけだから、老子の教えを守るのってなかなか難しいね。その考えがボクに近い、なんて言うとおこがましいけど、ボクは老子にすごくシンパシーを感じてるんだよ。
みんなそれぞれ違うから、これが道だと思ったら好きな様に生きればいいんじゃない?あなたはあなたらしく生きてった方がいいんじゃないのって、思うよ。