いかひこ塾、塾生に向けて

いかひこ塾のみなさん。

ちょっとボクの塾に対する思い、そして自己紹介を。

ボクは大学時代アルバイトで家庭教師を始めました。
そこから、あっという間に人気教師になって、
生徒を集めて「寺子屋」みたいな塾を経営していたんです。

一方で、難関校を目指す生徒を集めた進学塾で数学の教師もしてました。
もともと理系だったんで数学は得意でした。
20代前半は塾に明け暮れて、過ごしました。

その後、フリーでテレビのディレクターを始めて、渋谷のNHKで働き、そのあと、ニューヨークに行くんですが、そこでも現地にいる日本人の子供達に数学を教えてました。

働いていた進学塾のニューヨーク校があってそこに呼ばれたからです。

なんだかんだ、ボクが「塾」の先生をやってるのは、昔からのことなんですね。

その後、帰国して、テレビプロダクションを作って、魔が差してMAMEHICOを始めるんですが。

学習塾もMAMEHICOも面白可笑ひこも、
基本的に人間相手にやることってみんなおんなじだとボクは思っています。

みんながわけわからず参加した「いかひこ塾」でも、ボクの方針は代わりません。

とにかく、参加している全員に当事者になってもらうことです。
参加している以上は、ボクは誰一人として置いていかない。

全員が主体性を持って、ものごとに取り組むよう仕込む、それがぼくの役割です。

「どうした?何か困ってるんじゃないの?」
「ていうかさ、結局どうしたいの?」
「何かボクに手伝うことはある?」

そうやって一人ずつに声をかけていく。
ひたすらなので、地道です。
「大丈夫です」って言います、大丈夫じゃないヒトに限って。
でも、自分で言い出すまではほっときます。

自信がないヒトって多い。
自覚ないヒトも多い。
いつまでもスカしてるのもいるし、裏切るヒトもいますけど。
それでも粘り強く声かけて、待ってあげる。
クレメンティアです。

知ってる人は知ってるけど、
ほんとね、呆れるくらい長い年月かけて見守ってあげるんです。
もちろんね人間相手だからね、綺麗事だけでは済みませんよ。
だけどぐちゃっとしてたものがね、
一人、また一人と自分の意思で考えるようになると、
すっとした感じになる。
自信が出てくるんでしょう。

実際、MAMEHICOで、東京でも神戸でも、
ボクの回りで働いてるヒトたちは、みな自分の意思で考えるようになってます。
年月をかけていくうちに、少しずつ少しずつ変わっていく。

とにかく自分で気づいて行動するようになる、
これします、あれしますってなります。

さーて。
そこからが大変ですね。

こうしたいって思ってもできないってことに気づくから。
号泣しますね、絶望して傷つきますね。

やってないだけで、やればできると思ってるんですよ。
たけど、やったってやったってできないってことを知る。
無知の知ね。
宇宙は「べき乗則」で支配されてるから、
少しでも良くなるためには想像のうん十倍も経験が必要です。

そのときこそ見捨てない。
きつい思いしてるときにでも目をかけてやる、
そうすれば必ずや好転します。
これは保証します。

遊ばせたり休ませたり、
怒ったり甘やかしたりしながら、
とにかく数をこなさせていく。
すると必ず景色が変わる。
そのことを教えるのが「塾」です。

MAMEHICOというカフェを居場所とした「いかひこ塾」です。
目標は「自分たちの居場所は自分たちで守る」ということです。

神戸であれ御影であれ、MAMEHICOは
みなさんの居場所ってことです。
居場所だって思ってもらう努力をボクはもっとしなくちゃいけない。

で、居場所だと感じたヒトは、ここを守ってもらう。

なんかパトロンみたいなヒトの財布から経済的に守られてる、
そんな場所じゃないんですからね。

やっぱり、たくさんのヒトに知って来てもらわないと、
残念でも失くなっちゃう、そういうものです。

だから。
銀座も神戸も、3年間は維持できるようにしていくのがボクの目標です。

居場所だと感じたヒトは、この居場所を通して、
表現がしたいヒトはすればいい。
この場所が仕事になるんだったらすればいい。

ボクやMAMEHICOは、みんなの敵ではなく見方なので、
できなくてもいんで怖がらず、主体性を持って、役割を担ってください。

MAMEHICOにいるあなたが抱えている課題は、
日本社会の抱えている課題そのものです。
つまり民衆の主体性の無さ、
子供に主体性を持たせない教育が、この国をだめにしている。

「どうした?何か困ってるんじゃないの?」
「ていうかさ、結局どうしたいの?」
「何かボクに手伝うことはある?」

そうやって問いかけ、
自分の言葉で、
「実はこうなんです」という自分の答えを導き出してもらう、
それが、この塾の役割なんだと理解してください。

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