シャンソニエ「エトワール★ヨシノ」のバックコーラスを担当している池田玲菜です。
今回は、ステージ側に立つ私の「エトワール★ヨシノ」のライブの楽しみ方をお教えします。
ヨシノさんのライブ、実は、コメディアンのライブに近い部分があるんです。
それも日本のコメディではなく、ロンドンやニューヨークで主流ともいえるスタンドアップコメディのスタイルです。
ヨシノさんは非常にダイナミックに観客とリアルタイムでやり取りをして、その場の空気を作り上げていきます。
「あなたはどうしてここに来たの?何しに来たの?寂しそうだけど、一人?」といった具合に、観客をどんどん巻き込みながら場を温めていくスタイルなんです。
初めてのお客さんはドギマギしますし、私もヨシノさんの毒舌にヒヤヒヤする場面もあります。
最初はなかなか温まらないことも多いライブですが、最終的には観客が完全にヨシノさんに飲み込まれ、大拍手で終わります。
その様子を長年、後ろから見ている私たちバンドメンバーも「ヨシノさんのコメディアンとしての腕力は本当にすごい」と感心してしまうほどです。
歌よりもMCの時間が長いほどですからね(笑)。
スタンドアップコメディライブに歌がついていると思ってもらっても構いません。
ただ、そこで終わらないのがヨシノライブ。
大笑いのMCなんですが、その後に突然バラードがきたりします。
すると、観客席は突然シーンとなり、涙を流す人が続出するんです。
大袈裟じゃなくてホントです。号泣する人さえいます。
その落差が本当に激しくて、まるでサウナの後に水風呂に入るような感覚でしょうか(笑)。
ヨシノライブに慣れているお客さんの中には、MC中に笑いながら、テーブルの上にハンカチをセットし、歌が始まるとすぐに涙を拭く人さえいます。
この落差がヨシノライブの醍醐味であり、また一言で感想の言えない、わかりにくいとされる理由なんじゃないかと思います。
大笑いのMCですが、ヨシノさんのリピーターの多くは歌詞の世界にどハマりの人です。
歌詞は哲学的なもの、複雑な言葉遊び、短編映画のようなもの、主人公も老若男女と、実に多彩です。
私が一番のおすすめの歌は「ミツバチ」というのなんですが、これなんてすごい歌詞なんです。
かつて愛していた男性が死んだと聞いて、なんだかホッとした、蜜の味だったと女性が思ったという歌です。
これは劣等感からくるシャーデンフロイデという心理を歌っていて、それをカーテンに引っかかったミツバチに例えて歌われる。
あっ、その気持わかる、と若い私でさえ思う普遍的なテーマなんですが、一方でこんな「死んでホッとした」なんて歌にしていいのってドギマギします。
さて私が思うに、ライブはその言葉通り「生きている」もので、何年間もヨシノさんのライブに参加してきましたが、同じものは一つとしてありません。
ライブはその空間と時間をヨシノさんと一緒に共有することにこそ、本当の楽しみがあると感じています。
そういう意味で、いま私がおすすめするヨシノライブの楽しみ方は、「ヨシノの声を浴びる」です。
ヨシノさんを笑う、でも、歌詞の世界に浸る、でもなく、「ヨシノの声を浴びる」。
ヨシノさんはその声がなんといとっても特徴的で、もうなんていうか、周波数とか倍音とか難しいことはわからないけど、そういうのがドワーっって出てることだけはわかるんです。
声を浴びるだけなら、歌詞を知らなくても、はじめての人でも感じられるので、ぜひ浴びに来て!!
今年最初のライブは2/11(火・祝)MAMEHICO銀座、夜のライブです。
ヨシノさんのライブをまだという方。ぜひ、私の楽しみ方を参考になさってみてください。
2025.2.11
喫茶エトワール
MAMEHICO銀座にて
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